Pierre Jean JOUVE, Les noces suivi de Sueur de sang, Poésie/Gallimard, 1966

まさに上に書いた好きでないタイプを体現したような詩だった。でも何か惜しい。Bousquetが見ていたものと同じものを見ながら、まったく反対の解釈をしているようだ*1。結局宗教があるかないかの違いだな。でも何か完全にだめとはいいがたいものがある。ちょっと気になる詩人だ。

*1:とくに、「la prison(牢獄)」という詩(p.50)。一人の男が牢獄の壁に囲まれているという内容。似たような記述がBousquetの『Mystique』にもある。Jouveにおいてはその男は牢獄から自力では逃れられないのだが、天使がやってきてその壁を取っ払ってしまうのに対し、Bousquetでは「当人が壁があるなんて思い込んでいるだけじゃん?」という感じになる。Bousquetのほうが圧倒的に正しい。