読んだ本
こっちに来て初めて読んだ本だ。教科書、だとおもう。いや長かった。といっても350ページぐらいだが。この人の本は二冊目。『フランス心理学の歴史』とあるので、学説史かと思ったがむしろ心理学部の歴史みたいなものだった。しかしこれが教科書なのだろうか…
Pouletのテクストはこれまでつまみ食い的に読んできたことしかないので、これが初めて全部読んだ著作だ。要はProustは失われた時間のみを求めたのではなく、失われた場所をも求めたのだということ、そしてProust的な時間はしばしばBergson的なそれとの類似を…
初めてDu côté de chez Swannを読んだのが2002年の夏だったから全部読み終わるまで三年ぐらいかかったことになる。まあ日本語で読んでもこのぐらいかかったかもしれない。さすがに最後の方に至ると感慨深くなってきた。それはともかく、先日教授にもうすぐPr…
何か急遽読まなければいけなそうになってみたので読んでみた。100ページぐらいと短い。Artaud, Beckett, Michauxと順々に扱っている。Beckettを扱った章が一番よかったと思うのだが、それはBeckettが一番好きだということかもしれない。Artaudに関しては、Ba…
こういう表記でいいのかはわからん。本といっていいのやら。いずれにしても全部読み終わるまでに結構かかるので一幕ずつやっていこう。ただし手元にある英語、仏語対訳版には幕の区切りがない。ネットで公開されているテクストにはある。基本的にこの公開さ…
読んだのはPoèmes saturniens, Fêtes galantes, La bonne chanson, Romances sans parolesの4つ。なんだかよくわからん。さすがにGautierほど能天気ではないが、全然ぐっとくることがなかった。あとVerlaineというと奇数脚だと思うが、音読していてもあんま…
別の意味できつかった。なんでこんなことやっているのか全くわからん。確かこの初版が出版されたのが1852年だったと思うが、Fleurs du malが(少なくとも同名のタイトルで)最初に出たのが1855年だからほとんど世代的には変わらない。しかもBaudelaireはこの…
いやあきつかった。量的には全然たいしたことないのだが、ほとんど全部何かのパロディやら何やらで、こういうときに自分の教養のなさを痛感する。まあそんな中で最も興味を持ったのは、inconscient、つまり無意識についてだ。Ribotとかをよんでいると確か無…
その陶酔の話が出まくるのがこの詩集だ。何しろ「常に酔っていなければならない」らしい。この時間にやられているという感覚は何なのだろうか。全く理解できない。詩とかを読む資格がないのだろうか。まあLamartineあたりからそうなのではあるが、Baudelaire…
もう何年も前から読もうと思って最初の方だけ読んで挫折して再び読むもんだから最初の方は結構覚えている。というかむかしはCorrespondancesとか暗唱したものだった。しかしいま改めて読むと、時間の捉え方とか、なんか気に入らない。これはProustを読んだと…
ちょっと前にやたら長い小説を読んだので、それと比べればこの本も読みやすいかなと思い読んでみた。ちょっとまえにid:kasuhoさんも書いていたけど、意外と読みやすいというか、なんかしょうもない内容を扱っているなという感じがした。しかしどうなんだろう…
Du domaineが書かれたのが1967年らしい。Terraquéから20年以上たっている。まあ20年以上たつといろいろかわるもので、詩のスタイルから考え方から結構変化が見受けられる。こっちの方が面白いとは思う。Du domaineというのは文字通りdomaine、領域とかについ…
そもそもJean-Marie GleizeのPoésie et figurationという本を読むのに、Guillevicのことを扱った章があったので読んだ。序文を読むと、1942年という年は、PongeのParti pris des chosesとこのTerraquéが出版されたという点で重要な年だ的なことが書いてある…
いや長かった。最初のChâtimentsは詩というより延々とNapoléon三世の悪口だ。まあ亡命先で書いていれば悪口を言いたくもなるか。そんなわけで詩の中で彼の政治的立場が明らかになるように書かれている。死刑反対とか。人間は生の中においてこそ罰を受けてい…
なんかあんまり考えていない感じがフランスのロマン主義っぽかった。なんか後半だれてきたので、Rimbaudの詩をたまに読みながら読んだのだが、二人を比べると、Rimbaudってやっぱりいろいろ考えているんだなという感じがして面白かった。まあ考えないことも…
最も注目したのが最初の方の思考の不能性についての議論。Artaudにとって思考とは形而上学的な分析でもある種の信仰でもない。それは外的対象を指示し言うというひとつの機能だ。だから思考が不可能であるということは外的対象を捉えることができないという…
よくもまあこんなに何事も起きない小説を書けたものだ。ひたすら壁紙や調度品、本棚のならびや本の内容、と。聞くところによるとLà-basとかだとそれがもっとすごいらしい。ご苦労なことです。ちなみにちょっと気になったところ。最初の方でラテン語の作家の…
もう書くの疲れてきた。なんか教授に説教されている気がした。研究するときは、自分と研究対象との距離をちゃんと保ちなさい、有効な問いを立てなさい。そうですか。はあ。しかしこんなのを当時の歴史学の最先端を集めた論集なんかに収録していいのか?
やっぱりPaulhanは素晴らしい。でも彼の本を読むと文学なんて本当にどうでもいいなと思ってくる。いや、読む前から思っていたが。しかしこのタイトルはなんなのだろう。métriqueというので詩法とか韻律の話かと思いきや、予想と全く違った。むしろ以前読んだ…
上のBarthesの論文と一緒に収録されているもの。Barthesのはちょっと要約したが、こちらはあまりする気がしない。言語の物質性に気づいていないという致命的な欠点があるからだ。次のPaulhanの本と比べるとそれがよくわかる。 文学言語と日常言語の違いは、…
言語がその外の現実を直接的に指し示すという幻想について。さっきのvraisemblableと関連するが、このvraisemblableは以前はréel、つまり現実と対立していた。後者は歴史の領分であった。前者は修辞学と結びついており、厳密な規則に基づいていた。したがっ…
例の論争について。Picardをけちょんけちょん。Picard的な批評が根拠としている客観性、嗜好、明証性は歴史的な事実(そうであったもの)や、科学的な理論(そうあるべきもの)に基づいているものではない。要はvraisemblableなもの、つまりみんながそうだろ…
前のふたつの小説と比べてずいぶん短かった。半分くらい読んだところで何事も起こらなかったので、これは最後まで何も起こらんな、と思っていたら本当に何も起こらなかった。内容とはあまり関係ないが、ひとつ。この小説では植物についていろいろ語られてい…
物語は書物の中にあるのであり、物語によって書物が作られるのではない。われわれは容易に物語の彼岸に赴くことができるのであり、そこになんらの困難もない。ただし物語の彼岸に辿り着いたとき、人は平板な存在となる。いったい誰が自らの平板さに気づきう…
まさに上に書いた好きでないタイプを体現したような詩だった。でも何か惜しい。Bousquetが見ていたものと同じものを見ながら、まったく反対の解釈をしているようだ*1。結局宗教があるかないかの違いだな。でも何か完全にだめとはいいがたいものがある。ちょ…
結構前に読んでしまったのでかなり忘れてしまった。糞便に関連する言葉が出てきたらチェックしていたが、さすがにたくさんある。でもこれはどうなんだろう。実際に下水道を通って逃げたくだりはあったが、それ以外は日本語で「くそ!」っていうようなもので…
Francis PONGE, Le parti pris des choses, Gallimard, 1948Bonnyfoyを読んだあとにこれを読んだので、ある意味でBonnyfoy批判としても読める。Bonnyfoyは物を概念へ至るための装置のようなものとしてとらえているようだが、Pongeはこのような態度を批判して…
Yves BONNEFOY, Poèmes, poésie/gallimard, 1982 Jean-Pierre RICHARD, Onze études sur la poésie moderne, seuil, 1964なんかBonnefoyの専門家に会うということになったので急遽付け焼き刃的に。家にあったRichardの本もついでに読んだ。でも全然読んでい…