Jori-Karl HUYSMANS, A rebours, GF-Flammarion, 1978

よくもまあこんなに何事も起きない小説を書けたものだ。ひたすら壁紙や調度品、本棚のならびや本の内容、と。聞くところによるとLà-basとかだとそれがもっとすごいらしい。ご苦労なことです。ちなみにちょっと気になったところ。最初の方でラテン語の作家の話を延々としているところで、ラテン語は制約が多すぎ、言い回しとかも厳密に計算されていて、構文にしなやかさがないということをいっている。最初のふたつはいい。しかし構文のしなやかさがない(sans souplesse de syntaxe)って本当ですかっ。今ラテン語の本を読んでいるのだが、まさにこのsouplesseにやられている気がするんですけど。

というわけで夏休みは研究で読まなければいけないものというよりも教養で読まなければいけないものを読んできたのだが、そろそろ前者も読まなければいけないということでいくつか。