Emmanuel Bourdieu, Les amitiés maléfiques, 2006

ものすごく久しぶりに映画館で映画を見た。WikiによるとどうやらPierreの息子らしい。これまたWikiによるとこの作品は長編作品としては三本目とかいてあるが、映画館にあった紹介文では二作目となっている。まあよい。

で、内容なんだが、いやー笑えない。もう笑えない。一言でいうと外国文学を学んでいる学生が崩れていくという話なんだが、見ながらどんどん落ち込んでくる。特に教授に指導を断られるところ。主人公の一人が教授に二度修論の原稿を渡すのだが、二度目の原稿がほとんど教授のアドヴァイスを反映していない。要は教授のいうことを聞かずにほとんど直さずに提出してしまう。で、後日教授に会うと教授はもう1年かけてじっくり書き直せというんだが、頭にきた主人公が教授に平手打ちをしてしまう。もー、どう考えても主人公がおかしいんだが、でもなんだかなあ、という感じ。ほかにもこの主人公はおかしな行動をしまくって、結果的にはイタい人なんだが、あんまり人ごとのように思えず違う意味で痛々しい。

これって日本で公開されるんだろうか。なんか日本で公開されると違う受け入れられ方をするような気がする。文系男子のどうのこうのみたいな。この映画みてすごく思ったのは、フランスって文学に対する信頼ってあるんだなあということだ。文学を学ぶ人は文学だけ(というのは正確には違うのだろうけど)学んでいれば自分の中でも世間的にもOKみたいな感じ。あとこういう人たちってオタクとかが好むようなものに興味を持たないんだろうなあという気がした。日本って文学系の研究者がマンガとかアニメとかすごく好きってこと多いと思うんだけど、フランスだとオタクって結構文化資本の乏しい人というか、あんまりエリートじゃない人に多いのかなあとか思った。じっさいまわりのノルマリアンでマンガに興味ある人とかって全然いないし。

まあいずれにせよ久しぶりに映画を見て結構面白かった。今ちょっとallocinéをみてみたら、Jérôme Bonnellの新作が近々公開されるらしい。見に行きましょう。