Paule THÉVENIN, Antonin Artaud : Fin de l'ère chrétienne, Lignes, 2006
Jean-Hugues OPPEL, Ambernave, Rivages, 1995
Brigitte AUBERT, La mort des bois, Seuil, 1996


久しぶりに本を買った。もうあまりにもやる気がなくなったので、ちょっと冷やかしてやろうかといろいろ見て回ったら、一番上の本が出てきた。最初、タイトルがArtaudがかいたテクストのタイトルそのまま(まあシュルレアリスムに親しい人だったらRévolution surréaliste第3号の副題というところだろうが)だったのでArtaudのテクストの再編集版かなんかかなあと思っていたが、どうやらThéveninのエッセイらしいので買う。実はいま扱っているテーマと全く同じことについて語っているので、これはわかなきゃいかんだろう、というかこんなの今頃出すなよ、とか思いながら筆が進まないいいわけにいま読んでる。しかしお金がなくても新刊の情報はマメにチェックしておいた方がいいと思った。


後ろの二つはいわゆるミステリーもの。年末年始に日本人の友人がおいていった松本清張の『歪んだ複写』などを読んで、フランスのミステリーでも読むかと。でも全くわからないので、Grand prix de littérature policièreとやらを獲った2冊を買う。この賞がどのくらいの権威があるかわからないが、まあよい。しかしamazonとかでいろいろみてみて非常に困ったのは、翻訳とそうでないものを識別しづらいということだ。せっかく読むんだからフランス語オリジナルのものが読みたいと思うのが人情だが、そういう表示が(あまり)ないし、翻訳であるとかないとか、訳者の名前も(たぶん)なかったと思う。まあちゃんとみてないだけかもしれないが、その点日本ではだいたい名前で翻訳書かどうかわかるから便利だ。こっちでも名前で判断することが多いのだが、Viviane Mooreとかちょっと判断つかないものも多い(調べたら香港生まれでフランス語で書いているらしい)。まあそれはともかく、この2冊。Aubertのほうはどうやら翻訳がでているみたいだ。第一章だけ読んだが非常に読みやすい。問題はOppelのほうだ。ぱらぱらみた感じでは、Boudardを読んだときと同じような絶望感を味わえた。この2冊が同じ賞獲っているというのがまた…。もうわけわかんない表現が多くて同じモジュールにすんでいるフランス人に聞いたら、いろいろ言葉の意味を教えてもらったが、当該の段落を指して「ああこれBrelだね」だと。どうやら歌詞をもじったらしい。知るか! もう研究のためのテクストとかきついからミステリーに逃避しているのに、間テクスト性とかいやだ。そんなわけでAubertのほうをよもう。いやその前にThéveninだな。