Olivier PENOT-LACASSAGNE, Antonin Artaud : moi, Antonin Artaud, homme de la terre, aden, 2007
Alain et Odette VIRMAUX, Artaud : un bilan critique, Belfond, 1979
Roman 20-50 : revue d'étude du roman du XXe siècle, n°22, décembre 1996
Donatien Alphonse François de SADE, Œuvres complètes, t.I, Pauvert, 1986


一番上はやっとでたという感じ。よかれあしかれこれからのArtaud研究を引っ張っていくであろう人の初めての単著かな(Artaud関係では。たしかGuillevic関係の本を一冊出していたと思う)。まだぱらぱらとしかみてないが、最後にいくつかの章はこれまでに発表した雑誌論文と内容が重複するとかかいてあるので、博論の出版というわけではないのかな。まあ以前に発表した論文が博論の切り売りである可能性はあるから、まあ結局同じような内容かもしれない。あるいは年内にもう一冊Artaud関連の本を出す予定があるみたいなので、博論はそっちの方かもしれない。既に発表された論文は読んできたが、これはかなりいいと思う。ようやっとグランドセオリーで語るのをやめた、という感じ。これが「よかれ」の部分。しかし彼にあった人の話などを聞くと、かなり人格的に問題があるらしいとのこと。何年か前にCerisyでシンポジウムを彼が組織したとき、有名どころの発表者が次々と辞退して、かなりぐだぐだになったときく。噂によると「こんなやつとやってられるか」という感じだったらしい。ううむ。まあそういうこともあるでしょう。とりあえず近いうちに読まねば。

二つ目は読むというより参考文献が重要かな。まあでも二十年以上前なのでどうだろう。VirmauxのArtaud関連の本は結構古本屋に出てるが、なぜかこれだけはかなり入手困難だった。日本の教授の研究室の本棚にあって悔しかったがやっと手に入れた。これであそこにあったArtaud関連の本はだいたいすべて手に入れたかな。あれから増えてなければ。

三つ目は何となく。Bousquet関係の論文集だが、かいている人ほとんど知らない。編集しているCharles BachatはたしかBousquetに関する単著を出していたと思う。何となく買ったのでそれ以上のコメントはなし。

最後が今回の目玉だ。Sadeの全集なのだが、やっと、やっと全部そろった。むかしあるSade研究者にこの全集もっているかときいたのだが、全部はもっていないと。要はPléiade版で足りるしそっちの方が権威があるだろうから、もしかしたら必要ないのかもしれない。でも全巻揃えて並べると背表紙でSade oeuvres complètesとかなるようになっているのでぜひ欲しかった。趣味が「本棚のコーディネイト」である自分にとってはぜひ欲しいブツだった。だが残念なことにほとんど日本においてきてしまったのでそれを確認することができない。そしてさらに残念なことに一応まだ刊行中なのだが、しばらく続刊がでていなくて、もしかしたら今後もでないかもしれない。まあよい。ちなみに本の状態はあまり良くなくて、注文したオランダの本屋から表紙の状態が良くないけどいいのか、という連絡をもらったが、4、5年探したけどネット上で見つけたのが今回が初めてだったぐらいレアなので、それでもかまわんということで買った。もしもっと状態のいいものがあればまた買っちゃうかもしれない。