Marguerite DURAS, Moderato cantabile, Minuit, 1958

前のふたつの小説と比べてずいぶん短かった。半分くらい読んだところで何事も起こらなかったので、これは最後まで何も起こらんな、と思っていたら本当に何も起こらなかった。内容とはあまり関係ないが、ひとつ。この小説では植物についていろいろ語られているが、この植物というのが厄介だ。ちゃんと知っている人なら、植物の名前を見て即座にある風景が浮かんでくるのだろうが、あたしにはそれがない。辞書を調べてみても、名前はわかるが絵は全く浮かばない。ここら変に小説に対する取っつきにくさというものがあるのかもしれない。ここでできた植物は、

hêtre
magnolia
troène

あたりだろうか。一番上はブナ。名前は聞いたことあるがよくわからん。二番目は辞書には木蓮とあるが、知り合いに聞いた話だと、日本では木蓮マグノリアは違うものを指しているらしい。よくわからん。最後のはイボタノキとある。なんのことやらさっぱりわからん。*1今度ちゃんと調べたり見に行ったりしようと思った。たぶんロマン主義あたりの小説やら詩やらが好きな人って、こういうのを見て風景が浮かぶんだろうな。

*1:今ちょっとネットで調べたら、生け垣などに使うものらしい。http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/tatuta/jumoku/kmt263.htm