LAUTRÉAMONT (Isidore DUCASSE), OEuvres complètes, Gallimard, coll. Poésie, 1973

ちょっと前にやたら長い小説を読んだので、それと比べればこの本も読みやすいかなと思い読んでみた。ちょっとまえにid:kasuhoさんも書いていたけど、意外と読みやすいというか、なんかしょうもない内容を扱っているなという感じがした。しかしどうなんだろう、善のすばらしさについて語っているものは単純に頭おかしいのかなとか思うんだが、悪について語っているものはなんか最後に「なんちゃって」的なことを言うのではないかと思ってしまうのだが、SadeにせよBatailleにせよそういうことはいわない(言ってるのかもしれんが)。
こいつはどうなんだろうと思って読んでみたら、Poésie I, IIにおいて言っていた。要は悪いことを示すことによってそうはなるまいと善行を行うよう、的なことだ。この何というか変化は何なのだろう。やはり作者の名前の問題なのか。これはArtaudが提起した問題でもある。社会による呪いの問題だ。まあそれはともかく、最も興味深かったのはPoésie IIだ。なんか言葉とその意味についてPaulhan的な議論を展開していた。これはなかなかよい。また読むかもしれない。