Charles BAUDELAIRE, Le fleur du mal, Gallimard, coll. Poésie, 1996

もう何年も前から読もうと思って最初の方だけ読んで挫折して再び読むもんだから最初の方は結構覚えている。というかむかしはCorrespondancesとか暗唱したものだった。しかしいま改めて読むと、時間の捉え方とか、なんか気に入らない。これはProustを読んだときにも思ったことだ。結構両者はにてるのかもしれない。時間によってもたらされる倦怠が自分に浸食して犯してゆくというような考え方って共通しているのかもしれない。そんなのってお前がそう考えてるだけだろって気になってくるのだが、そういうものに対する恐れから、時間の不可逆性に抗う陶酔を望んだり、その不可逆性を超えたところにある万物照応を見たりするらしい。ちなみに彼は時間の専制に抗うものとして匂いとか芳香を考えているようだ。Correspondancesでもそうだし、Un fantômeのなかのle parfumやL'irréparableでもそれが見られる。